高校英語の不定冠詞(a,an)

冠詞の一覧

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冠詞と聞いて、耳をふさぐ方が多々います。「あー、冠詞やだ!」今までに何回聞いたことか・・・。なぜかというと、高校英語の冠詞には細かな用法があり、イディオムも多彩で、暗記することが多いからなのです。

高校英文法でも嫌われ者の冠詞。この単元では重要な部分を明確にし、なるべくわかりやすい例文を使って解説していきたいと思います。最後までがんばりましょう。
※基本が少々あやしい方は、→ 中学英語文法の名詞・冠詞で問題演習を。



不定冠詞(a,an)

そもそも冠詞には、不定冠詞(a,an)と定冠詞(the)があります。このページでは不定冠詞(a,an)を扱います。 一応おさらいですが、a は子音で始まる語の前に、an は母音で始まる語の前につけます。

a+子音a desk [désk], a unit [jú:nit], a year [jíər],

an+母音an apple [ǽpl], an hour [áuər], an easy [í:zi] question,



不定冠詞の用法

不定冠詞の a,an は不特定の1つを表し、「任意の1つ」や「one (1つの)」というのが基本的な用法です。これ以外の重要な用法を次に記しておきます。

1.「ある~」= a certain {重要}

● What he said is true in a sense.
 (彼が言ったことはある意味本当だ。)

他:for a while (しばらくの間), at a distance (少し遠くに), など


2.「~につき」= per {重要}

● He ran at the speed of 20 miles an hour.
 (彼は1時間につき20マイル〔時速20マイル〕の速さで走った。)


3.「同一の」= the same {重要}

● Birds of a feather flock together.
 (同じ羽の鳥は群れをつくる。→類は友を呼ぶ〔諺〕)

※この用法は、ことわざ以外あまり使われません。


4.「~という人」「~のような人」 {重要}

A Haibara came to see you last night.
 (灰原さんという人が、昨晩あなたを訪ねてきたよ。)

● Dr. Nakamatsu is an Edison in Japan.
 (ドクター中松は、日本のエジソンのような人だ。)

→この用法は、固有名詞のページでも解説しています。


◎不定冠詞の慣用句

以下の慣用句は英熟語として覚えておきましょう。

in a hurry (急いで), as a rule (概して), after a while (しばらくして), at a loss (途方にくれて), all of a sudden (突然), come to an end (終わる), with a view to (~の目的で), once in a while (時折), on an average (平均して), など



不定冠詞の位置

○基本的な不定冠詞の語順

a very beautiful flower
→冠詞+(副詞)+形容詞+名詞

◎例外的な不定冠詞の位置

1.such+a (an)(+形容詞)+名詞 {重要}

● I have never read such an interesting story.
 (そのような面白い物語は読んだことが無い。)

Many a person visits the shrine on New Year's Day.
 (多くの人が元旦にその神社を訪れる。)※many a ~:単数扱い

類例:quite+a (an)(+形容詞)+名詞, rather+a (an)(+形容詞)+名詞, What+a (an)(+形容詞)+名詞 ! [感嘆文] など


2.too+形容詞+(a,an)+名詞 {重要}

● It is too difficult a problem for him.
 (それは彼にとって難しい問題だ。)

類例:so+形容詞+(a,an)+名詞, as+形容詞+(a,an)+名詞, How+形容詞+(a,an)+名詞 ! [感嘆文] など



不定冠詞の省略

○不定冠詞は、「省略された場合」と「繰り返し用いられた場合」とでは文の意味が異なります。

A statesman and physicist came to see me.
 (政治家であり物理学者でもある人が、私に会いに来た。)
 →政治家兼物理学者の人。(例:Benjamin Franklinのような人)

A statesman and a physicist came to see me.
 (政治家と物理学者が、私に会いに来た。)
 →政治家と物理学者の2人。(例:RooseveltとEinsteinの2人)

○形容詞が名詞にくっついてくる場合でも意味が異なります。

A black and white dog bit me.
 (黒と白のまだら犬が、私に噛み付いた。)

A black and a white dog bit me by turns.
 (黒い犬と白い犬が、代わる代わる私に噛み付いた。)

※これら不定冠詞(a,an)の省略用法は、定冠詞(the)でも同様です。



2つで1組のもの

2つで1組のものを表す場合、不定冠詞は1つとなります。

a cup and saucer (受け皿つきのカップ), a knife and fork (ナイフとフォーク), a thread and needle (糸の付いた針) など



定冠詞の用法 →


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